おしっこの科学
-メカニズムと最新の研究-
おしっこを測ることで何がわかるの?
おしっこは血液の中の悪いもの(余分な酸や食塩、老廃物など)を外に出す働きがあります。おしっこが悪いものを外に出してくれるので血液の状態はいつも一定に保たれています。
生活習慣が乱れて体の中に悪いものがたくさん出ている方は、血液の状態を一定に保つために、おしっこの中の悪いものが増えます。だから、おしっこを測ることで生活習慣の乱れを知ることが出来るのです。
おしっこは血液の中の悪いもの(余分な酸や食塩、老廃物など)を外に出す働きがあります。おしっこが悪いものを外に出してくれるので血液の状態はいつも一定に保たれています。生活習慣が乱れて体の中に悪いものがたくさん出ている方は、血液の状態を一定に保つために、おしっこの中の悪いものが増えます。だから、おしっこを測ることで生活習慣の乱れを知ることが出来るのです。
おしっこのpHと塩分量は、生活習慣病の原因の中でも最も重要な食生活の乱れを反映することが知られています。おしっこは、脂肪や炭水化物を多くとると酸性になります。また、お酒をたくさん飲むと同じく酸性になります。逆に、野菜などの繊維質は酸を吸収しておしっこを中性から弱アルカリ性にすることが知られています。このように、おしっこのpHを日常的に測ることで2型糖尿病の主な原因である食事の乱れやお酒の飲みすぎにお気づきいただけます。
一方、おしっこの塩分量からは一日に摂った食塩の量(推定値)がわかります。世界保健機構(WHO)は、高血圧および心筋梗塞などのリスク低減のために一日に摂る食塩を5g以下とすることを推奨しています。日本の厚生労働省は、国民の健康を守るために男性7.5g以下、女性6.5g以下を目標として設定していますが、残念ながら日本人は目標に対して2g以上も上回った食塩を摂っていることが報告されています。
おしっこの研究成果
おしっこを研究材料にした医学研究は古くから現在に至るまで広く世界中で行われており、様々な研究結果が報告されています。私たちAwareness Science社は独自に論文調査を行い、Uriotシステムのヘルスケアシステムとしてのさらなる可能性を検討しています。以下に、論文調査の一例をお示しします。
- 低pH尿は10年間の糖尿病発症リスクを予測する(BOREAS‐DM1 study)(1, 札幌医科大学サイマックス共同出願特許)
- 2型糖尿病患者の低pH尿の代謝状態 (2)
- 朝一尿のpHはメタボリックシンドロームと相関する(日本人コホート)(3)
- 低pH尿とメタボリックシンドロームは相関する(韓国人コホート、2010年韓国健康と栄養調査結果に基づく観察)(4)
- 低pH尿は脂質異常と糖代謝異常を伴うメタボリックシンドロームの進展に影響する(韓国横断研究(KNHANES 2013-2015) と 単一施設の後ろ向き臨床研究結果)(5)
- 腎結石診断における朝一尿と24時間蓄尿pHの評価 (6)
- 酸性尿は急性心不全の利尿抵抗性と予後不良を予測する新しい因子である。(7)
- 単回尿測定による塩分摂取量の推定は胃がん発症リスクの評価精度を高める。(8)
- うつ病と尿濃縮度の関連 (9)
- 白色混濁尿は尿路感染症, 結石など様々な疾患の指標になる。(10)
- 酸性尿は老年齢層のサルコペニアの状態を反映する。(11)
論文
- Yukimura Higashiura, et.al. Low urine pH predicts new onset of diabetes mellitus during a 10‐year period in men: BOREAS‐DM1 study. J Diabetes Investig. 11(6): 1490–1497, 2020.
- Naim M., et al. Metabolic Basis for Low Urine pH in Type 2 Diabetes. Clin J Am Soc NepHrol. Jul; 5(7): 1277–1281, 2010.
- Shimodaira M., et al. Fasting Single-Spot Urine pH Is Associated with Metabolic Syndrome in the Japanese Population. Med Princ Pract. 26(5): 433–437, 2017.
- Cho YH., et al. The association between a low urine pH and the components of metabolic syndrome in the Korean population: Findings based on the 2010 Korea National health and nutrition examination survey. Res Med Sci. 19(7): 599–604, 2014.
- Chung SM., et al. Low urine pH affects the development of metabolic syndrome, associative with the increase of dyslipidemia and dysglycemia: Nationwide cross-sectional study (KNHANES 2013-2015) and a single-center retrospective cohort study. PLoS One. 13(8): e0202757. 2018
- Capolongo G., et al. Fasting versus 24-h urine pH in the evaluation of nephrolithiasis. Urol Res. 39(5): 367–372, 2011.
- Tomasz Imiela T., et al. Acidic urine as a novel risk factor for diuretic resistance and worse inhospital prognosis in acute heart failure. Internal Med. Published online: July 2, 2021.
- Goto A., et al. Estimation of salt intake from spot urine may assist the risk assessment of gastric cancer. J Clin Biochem Nutr. 66(1): 74–77, 2020.
- Ellis GG., et al. Urine concentration in depressive illness. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 34(1): 30–31, 1971.
- Vera M., et al. Turbid white urine. NDT Plus. 3(1): 45–47, 2010.
- Saitsu A., et al. Low urine pH associated with sarcopenia in the elderly: A multi-center observational study. Medicine (Baltimore) 100(21): e26114, 2021.